2013年01月22日

家族の発達について

親子関係と家族療法について、次に「家族の発達」というテーマについて綴っていきたいと思います。

人には、生まれてから幼年期、思春期、青年期、成人期と、発達の過程があります。
家族にも、これと同じように発達課題があると、家族療法では捉えられています。

その段階は、以下のようになります。

・第一段階 新婚期(結婚から第一子の誕生まで)

この段階は、結婚適齢期に達した男女が実家から自立し、夫婦関係を築くこと、また日常的な家族ルールが決められ、子どもが誕生する準備を持つ期間となります。

・第二段階 出産、育児期(乳幼児、児童のいる家族)

この段階は、親子関係を確立し、養育に専心し、子育てをする期間となります。

・第三段階 青年期の子どものいる時期

この段階は、青年期の子どもが、同世代の友人たちと交流したり、自立を目指すための援助をする時期となります。
また、中年期の夫婦の課題にも向きあい、それぞれの親への関わりもテーマとなる期間です。

・第四段階 子どもの離脱の時期

この段階は、子どもが自立して家を離れ、夫婦同士のシステムをもう一度見直す時期となります。
また、それぞれの親の死に対することもある期間です。

・第五段階 老年期の夫婦の時期

定年退職など、社会的役割から引退し、親子関係に変化がみられたり、配偶者の死にも直面する時期です。

個人の発達課題が、その時期に達成されなければ、次の段階へと先送りされてしまうように、家族の発達段階においても、その時に果たせない課題が残っていると、後になってから対処しきれないほどに膨れ上がっていることがあります。
そんな時に、家族のメンバーの誰かが問題を起こす、といったことが起こるのです。

この時には、家族システムが固定化されているために、当事者たちの努力だけでは悪循環に陥ってしまう可能性が高くなります。
このような場合に、家族療法の専門家の介入が必要となるのです。




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