2013年04月21日

母娘関係と摂食障害2

母娘関係が、摂食障害につながることについて、述べてきました。

子どもというのは、男女の別はなく、母親との結びつきが最も大切なことになります。

この結びつきは、動物的なものであるといってもいいでしょう。

どの子どもも、例外なく、母親の肉体を通してこの世に生命を受けます。

それゆえに、私たちの意識以前の深い次元の領域に、母と子の結びつきがあるといえます。

思春期までいい子として育ってきた娘が、この時期に食物の摂取という、人間にとって根源的な次元において、母娘の結合の在り方を再確認することを、言葉にはならない症状という形で、真剣に問いかけているともいえるでしょう。

このような娘の真の問いかけに応えるためには、家族療法のカウンセラーなど、治療者の助けを借りながら、母も娘も共に努力をしていくことが大切です。

しかし、それはただ単に表面的に母親が娘を世話すればよいという話にはなりません。

娘の症状を通して、母親自身が自分の生き方や価値観をふり返り、自分が今までに娘に与えてきた影響を理解し、そこから道を探っていくことが必要になります。

それは、人生を築き上げてきたと思われる母親が、娘を通して自分の生き方を変えていく、再構築する過程でもあり、なかなか困難を究める道でもあるといえるでしょう。




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